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たまごの豆知識

鶏の排卵のしくみ

けんぞう先生のたまごゼミナール

卵黄表面に血液がわずかに付着している 血斑卵、卵白全体に血液が混入している血玉卵など、血液の混入程度は実にさまざまです。飼育環境や鶏種にもよりますが、血卵の発生頻度は概ね0.1 ~ 0.5%程度です。

卵の内部に多量の血液が混入すると 血玉、少量だと 血斑卵などと呼ばれていますよね。
僕は少しくらいの血斑だったら、あまり気にせずに食べてしまうよ。
たま三郎くんはいつもマイペースだもんね。
ところで血卵の血って鶏のどこから出血したものなのでしょうか?
まず排卵について説明しましょう。
卵胞の構造は、多量の卵黄を含んだ卵細胞とそれを囲む 卵胞壁からなり、排卵とは卵胞壁のスチグマが開裂して卵黄が排出される現象をいいます。 卵胞壁には毛細血管が豊富に分布していますが、1 ~ 3mm幅の帯状に存在するスチグマには肉眼的には血管が認められないため、排卵時には出血しにくくなっています。

直線的なスチグマ

よく見ると、卵巣はまるでブドウの房のようです。それに スチグマはまだ卵胞が小さいうちでも認められますね。
卵胞の表面の血管の走り方が異状でスチグマの形がいびつだと 排卵時に毛細血管が破れやすく、この スチグマの構造に起因する出血には、遺伝的要因が強いとの考えが有力です。
少量の血液付着の原因としては、おそらく大半が排卵時の出血と考えられますが、多量の血液混入の場合、卵管からの出血の可能性も考えられるでしょうね。

つまり鶏の種類によって出血のしやすさに違いがある、ということですね。騒音などのストレスも出血の原因となるのでしょうか?
たま次郎くんの言うことにも一理ありますね。他には粘膜強化作用のあるビタミンAや血液凝固効果のあるビタミンKの不足。それにカビ毒によって引き起こされるという報告もあるのですよ。
参考:

『けんぞう先生の卵事例ハンドブック』
P.12、P.94~95